SWIFT ISO20022への移行について

SWIFT ISO20022への移行について

SWIFT ISO20022への移行について

国際送金サービスを提供するSWIFT(スイフト)は2022年11月より一部メッセージングサービスについて、現行のMTフォーマットより金融サービスの通信メッセージ標準であるMX(ISO20022)へ順次移行し、2025年11月が移行完了予定であること、また2022年11月から2025年11月の間はMT/MXの共存期間であることを公表しています。本稿ではSWIFTおよび通信メッセージ規格の移行に関してまとめます。

 

SWIFTとは

SWIFT(Society for Worldwide Interbank Finance Telecommunication SC:国際銀行間通信協会)はベルギーを本部とし、1973年に設立されました。メッセージングサービスとして従来、クロスボーダー決済関連指示に広く利用されていたテレックス技術に代わり、1977年より銀行間の国際金融取引に係る事務処理の機械化・合理化及び自動処理化の推進を目的とし、金融業界と共同でグローバルな金融メッセージと標準化を開始しました。このメッセージサービスは現在では200以上の国、地域において11,000以上の金融機関をサポートし、今やグローバルな金融システムにとって不可欠なものとなっています。

 

ISO20022とは

ISOとはジュネーブに本部を置く国際標準機構(International Organization for Standardization)の略称です。世界共通の標準を定めることで国際間の取引をスムーズに行うことを目的とし設立されました。

ISO20022はISOが定める「金融通信メッセージの世界共通の規格」を指します。 ISO20022は、標準化された金融メッセージの作成を一義的な目的としますが、金融業務分野での利用されている様々は通信メッセージに対してインターオペラビリティ(相互運用性)を実現することが容易になります。また、ISO20022は、タグを自由に設定できるXMLを採用しています。そのため、従来の通信メッセージ規格に比べて柔軟性や拡張性に優れたデータ活用が期待でき、既存の金融業務を大きく変え、新たな金融サービスを生み出すことを期待されています。

 

SWIFTとISO20022

SWIFTでは、従来からMT(メッセージタイプ)と呼ばれる業務分野ごとのメッセージ標準を利用してきましたが、これをMX(ISO20022)へと移行する作業を進めています。  2022年11月より一部メッセージについて、現行のMTフォーマットよりMXへ順次移行していき、2025年11月に移行完了予定です。2022年11月から2025年11月の間はMT/MXの共存期間となります。

 

ISO20022への移行の背景と移行対象

従来の規格であるMT(メッセージタイプ)は40年以上も前に、コンピュータ機能に限界があった時代のものであり、かなりアナログな仕組みになっています。そのため、機能的に限界があり、送金の処理などを行う際に、手作業が必要です。これに対し、MXでは、データの内容を記載する「タグ」を自由に設定することができ、高い柔軟性と拡張性を持つ仕組みになっています。ISO20022の移行の対象となっているのは、①MT100番台(顧客決済)②MT200番台(銀行間資金決済)、③MT900番台(口座情報)の3分野となっています。ISO20022への移行は、クロスボーダー送金の対象としており、国内の決済システムで使われている場合などは、移行の対象外とされています。移行が完了する2025年末までの間は、MXに移行した金融機関とMTを使い続けている金融機関が併存することになるため、「MTとMXの併存期間」についてはSWIFTが有料の翻訳サービス(MT⇔MX)を提供することになります。

 

予想される対応

2025年11月にてメッセージサービスが終了するMT100番台、MT200番台、MT900番台については、ISO20022に準拠したMXメッセージへの対応が必要となります。2025年11月まではMT/MXの併存期間ではあるもの、その期間に提供される翻訳サービスは2025年11月に近づくに連れて利用料が上がっていくため、早期移行の方がメリットが大きくなることが予想されます。MXになった場合はMTと違って手作業ベースでの事務作業のみでは困難になると予想され、MXベースへの変換も含めた何等かのシステム対応が必要となってきます。

 

NDFSの対応

弊社金融市場系パッケージPrélude Enterprise(プレリュード エンタープライズ)では、MT電文の作成機能、送受信管理機能を有しており、多くの金融機関様でご利用をいただいております。市場系の分野においては、資金取引やデリバティブ取引等で銀行間の資金決済(MT200番台)が多く利用されているため、既存業務への影響は少なくありません。                                                                                                                                    こうした背景を踏まえて、弊社では既にパッケージ機能の改修に着手をしております。決済情報関連のマスタの見直しを含めて、ISO20022に準拠したMX電文ファイルをシステム上で出力できるよう対応を行います。(2021年度中に対応予定) 

また、電文の送受信処理においては、SWIFTアライアンスベンダの提供するサービスビューローを介するケースも多いことから、同システムとのインターフェース処理の改修も必要となります。先述の通り移行期間も決まっております。金融機関様やアライアンスベンダとスケジュール含め情報連携を行いながら、2022年度以降、順次システム対応を進めてまいります。

 

参考URL

SWIFT HP(日本語):

https://www.swift.com/ja/swift-japanese

SWIFT News Vol.1 July 2020

https://www.swift.com/swift-resource/249336/download

SWIFT News Vol.2  Dec. 2020

https://www.swift.com/swift-resource/249996/download

国内委員会事務局 ISO 20022の概要:

https://www.boj.or.jp/paym/iso/isotc68/data/1ISO20022gaiyo.pdf

日本銀行決済機構局 金融サービスの通信メッセージ標準(ISO20022)が展望する将来

https://www.boj.or.jp/paym/iso/iso_panel/data/isop201207a.pdf